・2nd Mini Album表題曲『small cherry』について

この曲ができることにあたって1つのストーリーがありました。
そのストーリーについてお話ししたいと思います。


僕がいつもと同じように、ふと夕方のTVニュースを見ていると
被災地である福島県の東北自動車道、国見サービスエリアの中木さんという女性の雑記帳が特集されていました。

雑記帳とは僕らでいえばストリートライブなどで書いてもらう感想ノートのようなものです。
たくさんの応援メッセージがそこには書かれていました。

中木さんはその雑記帳にそこにはもう帰ってこないと分かっていながら
書かれる全てのメッセージの隣に、お礼を書いていきます。

そのニュースを見て僕は何か胸に感じるものがありました。

そしてその数週間後、僕たちのプロデューサーであるNORIOさんから連絡があり
中木さんに会って来たという話を突然聞きました。

NORIOさんは、世界中の友達に呼びかけ日本の国旗に応援メッセージを書いて日本に送ってもらい、それを誰に渡そうかと考えていた時、
同じようにニュースを見て『この人なら喜んでくれるに違いない!』と直接会いに行かれたようです。
中木さんは泣いて喜んでくれたそうです。

その話を聞いて、僕らは驚きと、感動を覚えます。

そしてその時、NORIOさんは僕たちのCDをプレゼントしてくれていて
雑記帳へのお礼と同じように、中木さんから感謝のメールが届きます。


その内容は以下です。

『CDを聴き、震災後振り返らず必死に歩いてきたけど、ふと立ち止まって見上げた空の青さに改めて気付たような
そんな気持ちになり、心が晴れ渡りました。』

このメールを読ませていただき、
前々から感じていた胸の奥の何かが込み上げ、僕らは『この人のためだけに、曲を作りたい!』と
すぐに曲を作り始めます。

初めは、CDになる計画など全くなく、ただ中木さんを応援したくて曲を書いていました。

そして、1人の人のために注いだ想いが、僕らの周りの1人、また1人の心を動かし
今回CDになることになったのです。


最近強く思ってることがあります。特にライブで感じているのですが、
僕たちミュージシャンはたくさんの人に想いを届けたい気持ちをいつも持ってます。
だけど、1人の人に、目の前の人のためだけに全力で歌を届けようすると
その全力の気持ちが同じように隣の人にも届く感覚があるのです。

音楽の力というのは本当に素晴らしいと思います。
僕ら自体音楽をやっていなかったら中木さんと繋がることができなかったと思いますし、
音楽は人の心を豊かにする力を持っています。元気をくれます。思い出のアルバムをめくるような、優しい、切ない、懐かしい、もどかしい、そんな気持ちを思い起こさせてくれます。
音楽の力を音楽で生きていこうと決めた日から僕たちは真っ直ぐに信じています。

この曲が新たな繋がりを生み、知らなかった素晴らしい景色を、出会えなかった素敵な笑顔を
あたたかい風と共に色んな場所へ運んでいくことを願っています。そしてその予感を感じられずにはいられません。

この心に感じたいくつもの想いを感謝の気持ち込めて届けにいきたいと思います。

2011.9.5
ふたり
小沼卓郎 石崎紀彦




small cherry歌詞


作詞:NORIO&ふたり/作曲:小沼卓郎

small cherry 白い小さな花が咲き
丘の上を風が通りすぎてく
立ち止まり ふと見上げた空の青さに気づいて

今までの自分に想いをめぐらせる
周りも見えず まっすぐに走り続けてきたんだ

振り返ればたくさんの人に
支えられている small cherry
小さくても少しずつ花を咲かせてゆこう

「がんばれ」の一言が「一緒にがんばろう」と聞こえる
遠い存在と思っていたけど

気づけばいつもそばにいてくれたんだね
きっと空の下でつながっていると感じられるよ

いつもいつもどんな時も
支えられている small cherry
小さな願いをひとつずつ実らせてゆこう

いつも心の中にきれいな花が咲き続けるように
希望を忘れず進んでいこう 
そこにはみんながいるから

振り返ればたくさんの人に
支えられている small cherry
暖かい風が丘の上を通りすぎる頃
いつも思い出しているよ


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